岡山小旅行②

写真は旧野崎家の庭にあった一個60㌔の分銅。

岡山2:3月6日。
児島で芸術祭が開催中でした。手づくり感たっぷり。
コンセプトをしっかり感じられたのは庭のキラキラ。

鏡面アルミが巻かれた棒が400本かな、塩長者の旧野崎家の庭に不規則にずらり並び、キラキラ棒が重なって向こう側が不可視になる。
鏡面だから、根元辺りは地面を映して地面に根差しているというより、不思議な棒状の異物が降ってきたみたい。もしくは、パワー的な物ではない光の塊がそこに群れているみたい。そして薄く張られた四角い水面は地上に空を落とす。不思議な庭。

晴れていたらもっとキラキラして、水に映る空も青くて印象が違ったんだろな。日々の変化も作品に組み込まれていて、とても面白い。
空間を取り込んだ作品って、その空間の可能性も含まれて、イメージの幅が広がるから、(時間とか天候とか変化やもしくは室内の変化しない無機質なイメージや)その条件がうまくマッチすると見る側のワクワクした気持ちも大きくなるなぁ。いいなぁ。


野崎家住宅では立派な庭を散歩したり塩の博物館が見られたり、良い雰囲気がありました。

岡山小旅行①

・2015年3月6日・7日
岡山県岡山市倉敷市児島へ
・大阪出張の帰りに立ち寄り
 
私の中で岡山といえば、あさのあつこ「バッテリー」。
瑞垣が好きだったなぁ。ショートで5番。

商店街が思わぬアバンギャルド。恐竜とか天使がいたよ。


天使は何を持ってるんですか?聞いたら、カキ氷じゃないですかー。言うてらした。
美味しい美味しい豆カレーをクワイエットヴィレッジで。

ターメリックライスにサラサラでスパイスの味が透けて感じられるような良いカレー。
http://tabelog.com/okayama/A3301/A330101/33000837/

いつか読書する日

DVDで「いつか読書する日」。田中裕子と岸部一徳が主演の恋愛映画。
舞台は主人公、田中裕子演じる女性が生まれ育った小さな田舎町。小さな町で生きる人々の個々の背景も描き込まれ本筋に厚みを持たせた見応えある素晴らしい映画。

男と女が恋愛が全てなのよ。と言い切る場面が出てくる。
全く恋愛映画である。


恋とか愛とか、一体何なんやろかと鑑賞しながら考える。私の勘違いみたいな想いもそういうのに分類していいんかな。と。
観終わって思ったのは、
その人に会いたいとか触れたいとか、そういう事が人を好きになるって事なんだろうな。と。その人じゃなきゃ駄目なんだって、個人への想い。代替は代替。
その為なら、何年でも側にいる。ずっと想い続けられる。ただし勘違いにならない程度に。
これ、やっぱり相互理解が必要で、いくら好きでも相手が迷惑なら、多分本人も実は他の人でもいいと思うよ。次行ってみよう。
強い想いが持続するのは通じ合う想いがあってこそ。一方通行ならさっさと辞めた方がいい。恋愛は一人じゃ成り立たない。

二人とも、長生きしてね。色んな事が分かるようになるから。
って感じの台詞が出てきた。件の、恋愛が全てと言い切った老婦人から。
まだまだ、何があるか分からないし長く豊かになれるように、生きていけたらいいな。若かったなぁ。って苦笑いして人に優しいできたらええな。

嵐が丘(1992年)

1992年版 映画「嵐が丘」。ダイジェストでミスキャストやなぁ。ジュリエット・ヴィノシュはフランスでショコラ、日本なら糠床がイメージ。イギリスだったらフィッシュアンド芋を揚げているイメージ。

今読んでいる水村美苗本格小説」に嵐が丘が出てきたから、改めての鑑賞。この本を私に贈ってくれた方は「東太郎は伊勢谷友介をイメージして読んだんだ。」って、分かる。

嵐が丘。狭い世界の中で狂おしく激しい愛憎が渦巻いて大変。世界も人との関わりも狭くなるほど研ぎ澄まされて逃げ場もなくなる。
私も大好きな物語です。こんな激しさじゃ生き辛いだろうと思います。毎日疲れちゃう。
だから究極の恋愛劇なんだなぁ。もう恋とか愛しか無いんだもん。


有名な説ですが、ヒースクリフとキャサリンは腹違いの兄妹だったのではないか。キャサリンだけがそれを知って、ヒースクリフではなくエドガーを選んだのではないか。
またエミリー・ブロンテ自身も実の兄と恋愛関係があったのではないか。という話。
禁忌というのは、なかなか、美化もされ易くて少女漫画の題材なんかにもされ易い。一条ゆかりの「デザイナー」なんてドラマチック。一条ゆかりさんは好んで扱う設定だなぁ。夢野久作の短編「瓶詰めの地獄」の蒸せ返るような南国の、甘く豊かな香りを感じさせつつ白痴のような怖さを秘めた独白とか。

あるいは裏切りという名の犬

日曜の朝からフランス映画「あるいは裏切りという名の犬」をDVDで。
ちょっと乗り気じゃ無かったけど、これしかDVDがなくて。かつて親友だったけれど、今はライバル関係にある警察官二人の対決を描いたフィルム・ノワール
あるいは!裏切りという名の!犬!犬!タイトルがちゃんとリンクしてるの?裏切りっていうのか、欲しいモノが違うだけっていうのか。

でも、かっこいいんだ、ドタバタ騒がしくなくて重厚感たっぷり。緊張感が凄くて疲れちゃって途中ご飯作ったり、お茶いれたり。
ドパルデューの荒々しい叫びがかっこいいんだ。悲しい悪役で、痛ましかった。
幕切れも見事で、鑑賞後の気分はしっとりして少し痛くて心地いい。
出演者がいちいち格好よくて、魅せるフランスですなー。ってニヤニヤできちゃう。
元娼婦のマヌーがいい女。

恋する遺伝子」DVDで。

2001年のアメリカ映画なんだけど、主人公の洋服なんて洒落てて好き。いい、アメリカのロマンティックコメディ楽しい。
内容は非常に非常に頷ける話で、働く女が男に捨てられ、男は元サヤ。彼女は男が去った理由をアレコレ考える。
幸せだったのになぜ私は振られたの。男は同じ女じゃ飽きる生き物なんだ。って。男は最低理論でコラムを発表しはじめる。


でも、散々な目にあって泣きじゃくり、同僚でルームメイトのプレイボーイ氏に慰めながら言われる。
レイが最後の男じゃない。
分析なんて止めろ、君は何にでも屁理屈をつけて楽しみを逃す。

ここから物語はクライマックスを迎え、2転ほどして感じ良く終わる。
あなたが泣いたとき、抱きしめて慰めてくれる。そんな愛情が二人の住む家の寝室にある事こそ。そうなんだろなー。

私はよくよくよくよく付き合った男性に振られる。よくガッカリされる。かなり傷付く。
やっぱり理由を年中探している。少し冷たくされたら理由と理屈で頭がいっぱい。
楽しくないよね。
そういう私もにっこり納得な一本でした♡
監督以外のスタッフは全員女性だって。納得。

小さいお家

テレビで「小さいおうち」を観る。すごーく良い日曜日の夜になりました。
松たか子さん、黒木華さん、吉岡英隆さんと声も佇まいも良い俳優さんたち。言葉も身なりも美しく心地よい映画でした。

昭和の時代、戦時中の物語。
赤い屋根の洋館に住む人々と、そこを訪れる人。
物語の殆どはそのお家の中で語られる。


「好きになってはいけない人を好きになったのね。」
って中嶋朋子さんの言い回しが、モガって言うんでしょうか、知的でスタイリッシュ、ハンサムガールなキャラクターとマッチして格好良かったなー。ドラマチックなセリフだった。こんなの説得力持ってなかなか言えないよ!
不倫の最上級の表現だと思います。人を思うって本来はこれぐらい究極的なモノであるべきなんじゃないかな。でもそれじゃ辛くなるからね。だいたいはそれっぽい、的な、ものを繰り返す。究極的だから物語になる。

倍賞千恵子さんの「長く生き過ぎた…」と嗚咽を漏らす場面や、最後の老紳士の涙とセリフ(これ書くとネタバレになるから伏せる。)。生きて生きて来たから、言える言葉や許せる事がある。
人が強い感情を失わない限り、罪は出来てしまう。
それを背負って、許して、お互い儘ならないとどこかで諦めながら、幸せに生きて行けたらいいな。
これもとっても良い映画でした。原作も読みたいと思います。

秘密は秘密のまま、本当の事は本人にしかわからないまま。だからいい。
https://m.youtube.com/watch?v=aVVyOmASS1k