嵐が丘(1992年)

1992年版 映画「嵐が丘」。ダイジェストでミスキャストやなぁ。ジュリエット・ヴィノシュはフランスでショコラ、日本なら糠床がイメージ。イギリスだったらフィッシュアンド芋を揚げているイメージ。

今読んでいる水村美苗本格小説」に嵐が丘が出てきたから、改めての鑑賞。この本を私に贈ってくれた方は「東太郎は伊勢谷友介をイメージして読んだんだ。」って、分かる。

嵐が丘。狭い世界の中で狂おしく激しい愛憎が渦巻いて大変。世界も人との関わりも狭くなるほど研ぎ澄まされて逃げ場もなくなる。
私も大好きな物語です。こんな激しさじゃ生き辛いだろうと思います。毎日疲れちゃう。
だから究極の恋愛劇なんだなぁ。もう恋とか愛しか無いんだもん。


有名な説ですが、ヒースクリフとキャサリンは腹違いの兄妹だったのではないか。キャサリンだけがそれを知って、ヒースクリフではなくエドガーを選んだのではないか。
またエミリー・ブロンテ自身も実の兄と恋愛関係があったのではないか。という話。
禁忌というのは、なかなか、美化もされ易くて少女漫画の題材なんかにもされ易い。一条ゆかりの「デザイナー」なんてドラマチック。一条ゆかりさんは好んで扱う設定だなぁ。夢野久作の短編「瓶詰めの地獄」の蒸せ返るような南国の、甘く豊かな香りを感じさせつつ白痴のような怖さを秘めた独白とか。