男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け

DVDで「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」。
寅さん17作目の旅は京都龍野、旅の友は宇野重吉演じる日本画家でマドンナは芸者に扮した太地喜和子

とても心に沁みる物語でした。龍野は美しくて、切ない恋もある。東京にも人情があって、また人の不条理もある。
お金じゃないよ、人の優しい心があるから慰められたり楽しんだり頑張れたりして、また明日に繫いでいける。
それは綺麗事でもなんでもなく本当の事で、人は情が無ければ生きていけない。無いならその人は鬼か悪魔だと思うよ。


二人の女性の言葉がとても心に残った。
宇野重吉が訪ねた、恋仲だったと思われる老夫人、岡田嘉子さんが言う。
「人生に後悔はつきものなんじゃないかしら。ああすれば良かったって後悔と、もう一つは何であんな事したんだろうって後悔。」
二人の事情は語られなくてもこれだけで充分でした。岡田さんの佇まいは全てを受け入たような柔和に満ちているけれど、凛として大変な気品がある。宇野重吉さんと並び圧倒的な存在感でした。すごいなぁ、二人ともそこにいるだけでその人の人生を感じさせてしまうんだから。

そして、太地喜和子
「期待しないで待ってるわ!」。
男の人の言うことなんて、これぐらいが丁度いい。

綺麗な楽しい、心が明るくなる映画でした。
とても好きな一本になりそうです。

2015年2月25日鑑賞