パリ旅行2014.9⑪

ポンピドゥーのピカソの一枚。ピカソには色々言いたい。これ、多分最初の奥さんのオルガ。
このやかましい口とだらしない身体は二人の仲が険悪になってからの象徴的な描き方。
日本にあるピカソを見ているとうっかり、こういう悪意に満ちたヒーロー像を忘れてしまう。
美しい頃のオルガも一枚、同館内に見られた。
けれどこんなに醜悪なのに悪意に満ちているのに、妻は何処と無く可愛らしく穏やかで夜の室内の色彩が堪らなく美しい。この不協和、違和感こそがピカソの個性。その攻撃性を美しくしてしまうから、強烈な印象が残る。のかな。
オルガを悪く言わないで、傷付けないで。といつも思う。
何の才能も無かったかもしれない、女性であった彼女が私は好きで、彼女を描いたピカソの絵も好き。
ピカソはオルガを悪く言うけど、孫は上品でいつも優しいおばあちゃんだった。と本に書いていた。
悔しいけれど、醜悪で魅力的な一枚。
ポンピドゥーのピカソは割とダークヒーロー。